品番:1888
男声合唱組曲 かみさまへのてがみ
本体価格\1,700+税かごに入れる
出版社:カワイ出版
A4判 52頁
作曲:高嶋みどり
訳詩:谷川俊太郎
グレード:中級
演奏時間:約17分
高嶋みどりの初期の代表作「かみさまへのてがみ」の男声版。混声版は1987年に刊行されているが、男声版がオリジナルである。 アメリカの子どもたちの詩を谷川俊太郎氏が訳したテキストによっているが、信仰や宗派を超えた「かみさま」への想いを綴った素朴な心が感動を呼ぶ。音楽は、あるときは軽やかに、また静謐に、また壮大にと、変化に富んだ曲想により構成される。 約17分。男声四部合唱、ピアノ伴奏付き(「わたしは あんしんです」のみ無伴奏)。
1 かみさまへのてがみ (4'40")
2 わたしは あんしんです (2'00")
3 てんごくって どんなかんじ I (4'10")
4 てんごくって どんなかんじ II (1'40")
5 終曲 (3'50")
<まえがき>
「かみさまへのてがみ」………は、
1982年12月、一橋大学男声合唱団コール・メルクールの、創立30周年を記念する定期演奏会で委嘱初演されました。その後、早稲田大学コール・フリューゲルで再演されるのを機に筆を加えたものが、この「かみさまへのてがみ」です。
テキストは、アメリカの子供たちがかみさまへ宛てた手紙を、エリック・マーシャルとスチュアート・ハンプルが編集、谷川俊太郎氏が翻訳なさった、「かみさまへのてがみ」「かみさまへのてがみ もっと」(共にサンリオ刊)という詩集から選ばせていただきました。谷川氏は、「キリスト者でない私たちに」も「心の中の<かみさま>は信仰や宗派の別を超えて生きて」いる事、又、「おとなになるという事は、自分の中の子どもを捨て去ることではなく、むしろそれをつきつめていくこと」だとも書いておられます。
「コール・メルクール」の指揮者でもあられた、増田順平先生のお勧めで、これらの詩集と出合う事ができました。純粋で素朴な心が、飾り気のない、素直な言葉で表現された素敵な詩集から、作品を生み出す事ができて、とても幸せです。
1 曲目は、鐘の響きの変奏が終始、伴奏として鳴り続けていく中で、かみさまへの質問や、注文、激励の言葉が歌われていきます。そして最後に、ちょっとはにかみながら、そっと、かみさまへの愛を、告白します。
2 曲目は、静かに、満ち足りた心で、心の安らぎや、かみさまへの敬虔な祈りの心を歌います。
3 曲目は、天国によせる、期待と、不安とを描いた曲です。優美で、しっとりとした、匂うような情感を表現してみました。
4 曲目は、ユーモラスでコミカルな詩を、リズミカルで、明るく軽やかな作品に仕立てたものです。
終曲では、鐘の音のような力強い和音が鳴り響く、壮大で、勇壮な楽想にのって、全能のかみさまを、力いっぱい讃えます。
その後改訂編曲した混声版は1987 年に出版されましたが、原曲である男声版が未出版である事を気がかりに思っておりましたところ、このたび、早稲田大学グリークラブが定期演奏会で取り上げていただくのを機に、出版という日の目を見ることになりました。
高嶋みどり